2022年10月、あわじグリーン館はシンガポール植物園とのMOU(覚書)を締結したことに基づき、この度、シンガポール植物園から「第14回アジア太平洋蘭会議(The 14th Asia Pacific Orchid Conference2023)」のOrchid Landscape Display Competition(ランによる植栽展示コンペティション)に、日本のランを中心とした展示による参画について協力要請がありました。
この機会に、MOUに基づく植物交換会を開催し、日本原産のフウランやセッコク、ナツエビネ等をシンガポール植物園に寄贈することとなりました。
第14回アジア太平洋蘭会議はシンガポールEXPOを会場に、2023年8月16日から8月20日まで開催。これに合わせて、当館スタッフが8月9日~17日までの日程で現地で展示を行います。
ここでは、現地からの様子をご紹介します!
◆2023年8月9日 夜… 関西国際空港から出国
◆2023年8月10日 晴れ
シンガポール・チャンギ空港に到着。街中に緑があふれていて、数の多さと大きさに圧倒!
気温は日本より全然暑くなく、日差しも日本よりやわらかい感じがしました。
シンガポール植物園に訪問。
植物の大きさに圧倒されることが多いシンガポール。中でもギランイヌビワ(別名コニシイヌビワ、クビナガイチジク)と呼ばれるフィカス・バリエガタが印象的です。イヌビワの仲間には、同じように幹に直接花や実をつけるものがありますが、写真のように大きく太い幹に、沢山の実をつけることがありません。
Ficus variegateフィカス・バリエガタ
原産地:インド、中国南部、インドネシア、マレーシアの熱帯地方
別名:Common Red Stem-fig、ギランイヌビワ、コニシイヌビワ、クビナガイチジク
◆2023年8月11日 晴れ時々雨
展示で使用する資材などを、あらかじめ船便で発送していますが、間に合うかどうか心もとないため、朝からシンガポール植物園のバッグヤードでお借りできる資材がないか確認しました。
蘭はいつもお世話になっているナーセリー「Toh Garden」へ買い付けに行きました。
◆2023年8月12日 晴れ
いよいよ会場にて展示準備を開始しました。宿泊先から出展会場となるシンガポールEXPOまでは、徒歩15分ほど。道中、ペトレアが咲いていたり、 足元にはピンクの小さい花を付けたオジギソウがそこかしこに咲いていました。
◆2023年8月13日 晴れ時々雨
待望の船便が到着しました!一部、鉢がわれているものなどもありましたが、準備に取り掛かります。
◆2023年8月14日~15日 晴れ時々雨
展示作業。あわじグリーン館のディスプレイも完成し、残すところは審査を待つのみとなりました。
◆2023年8月16日 曇り時々雨
いよいよ審査会当日となりました。
あわじグリーン館が出展したのは、9㎡の展示部門です。13団体の出展があり、結果は以下のとおりとなりました。
1位は「National Orchid Garden」(シンガポール)の作品でした。
2位は「Lingering Charm of Autumn」(中国)の作品。
3位は「沖縄美ら島財団」(日本)の作品。
当館の展示は残念ながら入賞には至りませんでしたが、会場で受けた刺激や新しいアイデアを今後の展示に反映できるよう、これからもスタッフ一同、力を合わせて頑張っていきたいと思います。
ここからはAPOC番外編として、会場の様子をお伝えします。
当館がエントリーした9㎡ の部門はBカテゴリですが、25㎡のAカテゴリの1位に輝いたのは「Singapore Botanic Garden」の作品です。シンガポール植物園とシンガポール国内外の育種家による交配種など76種のランが使用されています。
その他、2日目に買い付けにいったToh Gardenの作品や、インドネシア、台湾、アメリアからの出展もありました。
APOCでは、審査部門だけでなく、一般展示も行われています。
一般展示では、Floral Exhibits(いけばな展や蘭の花を使った装飾など)、Wonders of Orchids(写真)などの展示も行われています。
いけばなインターナショナルシンガポール第135による「Ikebana-Orchids in Paradise」の一部展示。
Floral Designers Societyシンガポールの作品
ITE College Central の作品
APOCの開催の様子が新聞やウェブメディアでも紹介されていました。
当館が持参した青いコチョウラン「Blue Gene”311NR”」が取り上げられていました。
以上で、アジア太平洋蘭会議のレポートを終了します。
お読みいただき、ありがとうございました!