クレイソセントロン・メリリアナム
【展示室2】
”本当の青色系の花を咲かせる珍しいラン”として知られているクレイソセントロン属。
ボルネオの青いランは3種類あり、当館ではそのうちの2種類「クレイソセントロン・ゴクシンギー」「クレイソセントロン・メリリアナム」がご覧いただけます。
そのうちの1種、メリリアナムが現在開花中です。
クレイソセントロン・メリリアナムは丸みを帯びた円筒状(テレート状)の葉を付け、開花時期は秋から冬です。
クレイソセントロン・メリリアナム
学名: Cleisocentron merrillianum
植物分類: ラン科クレイソセントロン属
原産地: ボルネオ・キナバル山
アロエ・ディコトマ
【展示室1】
ナミビア南西部から南アフリカ共和国北西部、ナマカランドとよばれる地域に自生するアロエの仲間です。太い茎は、水や養分を蓄えるタンクの役割をしており、雨がなくても何年も生きることができるといわれています。
“ディコトマ”とは、茎が繰り返し2つに分岐することを意味します。ご来館の際には、実際に茎が2つに分岐している姿に注目してください。
これから徐々にたくさんの黄色の花が開花。(以前の開花の様子)
花期は12月ごろで、レモン色の花を咲かせます。
当館にあるアロエ・ディコトマは「樹齢約320年」と推測されています。自生地では、若いつぼみが食用とされ、その姿・味ともにアスパラガスに似ているといわれています。
学名:Aloidendron dichotomum
植物分類:ツルボラン科(ユリ科)アロエ属
原産地:ナミビア、南アフリカ
カカオの花
【展示室2】
カカオ(学名:Theobroma cacao L.)は、アマゾンの低地熱帯雨林を原産とする熱帯植物であり、アオイ科(Malvaceae)に属する常緑の多年生樹木です。現在では、湿潤熱帯地域を中心に世界50か国以上で広く栽培されています。
「Theobroma」はギリシャ語で theos(神)+ broma(食べ物)=「神々の食べ物」という意味で、18世紀の植物学者カール・リンネが名付けました。古代メソアメリカ文明では、カカオ豆は神聖な食べ物として儀式にも使われていました。
カカオの木の花はとても小さく、直径わずか1〜2センチほどしかありません。色は白〜淡いピンクで、星のような形をしています。花のつき方は「幹生花(かんせいか)」で、枝の先ではなく、幹や太い枝の表面に直接咲くという特徴があります。(幹に直接花が咲く植物は、熱帯地方に多く見られる珍しいタイプです。)
カカオの木は一年中花を咲かせます。温かく湿った気候のもとでは、1本の木から年間に数千もの花が咲きますが、実になるのはごくわずか。およそ100〜200個の花のうち1つだけがカカオの実(ポッド)になります。
花はとても小さく複雑な形をしているため、ミツバチのような大きな昆虫は入れません。
代わりに、コバエの仲間(ミジンコバエなど)が受粉を助け、チョコレートの原料となるカカオの実が育つのを支えています。
カカオの木は種子から育ち、3〜5年で実をつけ始めます。幹や太い枝に直接実るカカオの実(ポッド)は、熟すと緑色から黄色・オレンジ・赤色へと変化します。
ラグビーボールや子どもの顔くらいの実には、20〜50個もの「カカオ豆」がぎっしり詰まっています。ポッドの中には白い果肉に包まれたカカオ豆が入っており、これがチョコレートの原料となります。
収穫された豆は発酵・乾燥・焙煎という過程を経て、香り高いココアやおいしいチョコレートになります。
学名:Theobroma cacao
植物分類:アオイ科テオブロマ属
原産地:南アメリカ・アマゾン地域
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原種シクラメン
【アトリウム】
葉が出る前に花が咲く、原種シクラメン「シクラメン・グラエクム」。
乾燥した気候に適応するため、先に花を咲かせてその後で葉が出てきます。
非常に長寿なシクラメンで、100年以上生きる個体もあると言われています
環境が良ければ球根は約20年で直径30cmほどになります。
球根には「牽引根(けんいんこん)」という太い根があり、この根を収縮させることで、
なんと自生地の乾燥した土の中を、上下にゆっくりと移動することができます。
夏の高温や乾燥を避けるために土の深い場所に潜ったり、
涼しくなると浅い場所に出てきて生長したりと、
過酷な環境を生き抜いています。
学名:Cyclamen graecum
植物分類:サクラソウ科シクラメン属
原産地:ギリシャ南部~トルコ南部、キプロス