ゲンチアナ・デプレッサ

【特別展示室】

ヒマラヤの宝石「ゲンチアナ・デプレッサ」は、地を這うように広がるマット状の葉をもつ多年草で、青緑色に輝く、ずんぐりとしたベル型の花を咲かせます。
美しい花を持ちながらも、高山性植物らしいデリケートな性質です。
湿り気を保ちつつ水はけの良い酸性土壌、そして風通しと日光が大好きな、ちょっと育てるのが難しい希少種です。

学名:Gentiana depressa
植物分類:リンドウ科リンドウ属
原産地:チベット南部、ネパール、ブータン、インド南部


    

ムジナモ

【アトリウム】

ムジナモは、植物学者・牧野富太郎博士が1890年代に発見した希少な食虫植物で、
朝11時頃から12時頃のわずか1時間限定で咲く一日花です。
つぼみがつく確率自体が極めて低く、天候・気温・照度などの環境条件が非常に厳しいため、古文書にも記されているように開花の様子を目にできるのは極めて稀です。
その希少性から「幻の花」とも呼ばれています。

ムジナモは根を持たず、水中に浮かんで生きる水生の食虫植物です。 葉のように見える部分には毛がたくさん生えた捕虫葉があり、水中のミジンコなどの小さな動物を捕らえて栄養にします。
その捕虫速度はなんと0.01秒以下で、植物界でも世界最速クラスの素早さを誇ります。

牧野博士は、ふにふにと丸い姿がタヌキやアナグマの毛玉に似ていることから「ムジナモ」と名づけました。

今回のムジナモは、大阪花博で「ヒマラヤの青いケシ」を世に広めた森和男氏(東アジア野生植物研究会主宰)から、貴重な個体を譲っていただいたことにより実現しました。
開花をさせることが極めて難しいといわれる「ムジナモ」を、当館のスタッフの熱心な取り組みにより、見事に開花を実現いたしました。
 ◎東アジア野生植物研究会
  国内外の野生植物の息吹を伝え、歴史の中に埋もれた戦前園芸の輝きに光をあてる。
  主宰:森和男(兵庫県三田市)

学名:Aldrovanda vesiculosa
植物分類:モウセンゴケ科ムジナモ属
原産地:ユーラシア~アフリカ~オーストラリア


    

フウリンブッソウゲ

【展示室5】

フウリンブッソウゲ(Hibiscus schizopetalus)は、東アフリカの熱帯地域を原産とする常緑低木で、その独特で優雅な花姿から、世界中で観賞用として親しまれています。日本には自生していませんが、枝先から下向きに咲く花の形が日本の提灯を思わせることから、英語では「Japanese Lantern(日本の提灯)」という愛称で呼ばれています。

この植物は高さおよそ180〜270cmにまで成長し、細身で立ち上がるようにアーチ状に伸びる枝を持ちます。葉は縁にギザギザのある卵形で、濃い緑色をしており、長さは約12cmほどです。

花は長い花柄の先に下向きに咲き、直径7〜8cmほどのランタンのような形をしています。花びらはピンクから赤色で、深く切れ込みが入り反り返るように開く、フリンジ状の繊細な形状が特徴です。また、花の中心からは細く長い雄しべが垂れ下がり、その姿は非常にエレガントで観賞価値の高いものとなっています。

学名:Hibiscus schizopetalus
植物分類:アオイ科フヨウ属
原産地:ケニア、タンザニア


    

プルメリア

【展示室5】

プルメリア(Plumeria)は、南アメリカやカリブ海諸島を原産とする熱帯性の花木で、「フランジパニ」の名でも親しまれています。ハワイのレイ(花の首飾り)に使われる花としても有名です。

5枚の花びらは厚みがあり、まるでワックスでできたような質感を持ち、非常に香り高いのが特徴です。甘く華やかな香りは、リラックスや癒しをもたらすとして世界中で愛されています。

日当たりを好み、水はけの良い土と高い湿度が理想的な環境です。寒さには弱いため、日本では鉢植えにして冬は屋内で管理するのが一般的です。
成長はゆっくりですが、地植えの場合は最大で約9mに達することもあります。

学名:Plumeria spp.
植物分類:キョウチクトウ科プルメリア属
原産地:南アメリカ、カリブ海諸島、北アメリカ南部


    

ナンバンギセル(南蛮煙管)

【展示室3】

南蛮渡来のパイプ “キセル”の形に似ているところからこの名前になったと言われています。

ナンバンギセル(南蛮煙管)は一年草の寄生植物で、日本の野外では夏の終わり頃から秋にかけて主にススキに寄生し、花を咲かせます。ナンバンギセルは葉緑素を持たない寄生植物のため、イネ科の植物(イネ、ススキ、サトウキビ)などの根に寄生し生きています。
様々な説がありますが、「万葉集」で詠まれている「思ひ草」が、このナンバンギセルだと言われています。

学名:Aeginetia indica
和名:ナンバンギセル(南蛮煙管)
植物分類:ハマウツボ科アエギネティア属
原産地:日本、インド

※寄生植物=生きた他の植物から養分を吸収し栄養を得、生育する植物のこと。
ちなみに、有名な寄生植物としてラフレシア、ヤドリギなどがあります。


    

デンドロビウム・エキスポ2025・大阪関西・ジャパン

【展示室2】

大阪・関西万博のために特別に品種改良された記念のラン、
「Dendrobium EXPO2025 Osaka Kansai Japan」が開花しました!

このランは、日本とシンガポールの外交関係樹立59周年を迎えた、本年4月26日に開催されたシンガポールパビリオンのグランドオープニングセレモニーにてお披露目されたものです。

団結と革新を象徴する赤と青が調和した鮮やかな紫色で、大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」が表現されています。

学名:Dendrobium EXPO2025 Osaka Kansai Japan
(Dendrobium Isobel Barstow × Dendrobium Ow Foong Pheng)
植物分類:ラン科デンドロビウム属

※2025年にシンガポール植物園によって英国王立園芸協会に登録。


    

カトプシス・ベルテロニアナ

【展示室2】

虫を捕獲するユニークなメカニズムを持つ、落とし穴式のパイナップル科植物!

高い木の枝に根を張り、明るい場所で育つこの植物は、葉の根元に雨水をためる“タンク”構造を持ち、昆虫や微生物を引き寄せる小さな生態系をつくり出しています。

明るい黄緑色の葉は、白いワックス状の粉(クチクラ)でおおわれ、まるで光を放つような美しさ。現地では「ランペラ・デ・ラ・セルバ(ジャングルの提灯)」の愛称で親しまれているんです。

開花時には40〜130cmほどの高さに達し、太い花茎には2〜8本の側枝が伸び、白い小さな花を15〜50輪ほど咲かせます。花苞と萼片は黄緑色で、果実(さや)は長さ1.5cmほど。中の種子は、さやの上で発芽することもあります。

この植物のもうひとつの特徴は、昆虫を引き寄せて捕らえる性質です。葉の表面が滑りやすいため、訪れた昆虫は滑って中央のタンクに落ち、水に沈んでしまいます。
捕食のしくみは他の食虫植物とは異なり、壺状の構造ではなく、あくまで葉の形と滑りやすさによる「自然なトラップ」です。

学名:Catopsis berteroniana
原産地:フロリダ州~熱帯アメリカ
植物分類:パイナップル科カトプシス属



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