アサギマダラ飛来中!2025-10-10~

【館内各所(主に展示室2~3)】

秋になると、寒い北から暖かい南へと旅をする蝶「アサギマダラ」。
この蝶は、日本でも数少ない「渡り」を行う蝶として知られており、秋になると本州や東北地方から沖縄、さらに台湾まで1000km以上の長旅をします。

アサギマダラ (英名: chestnut tiger butterfly、学名: Parantica sita) は翅にある派手な茶色と黒と白の模様が英名の由来です。開帳はおよそ10センチメートルです。このチョウは日本で見られるチョウの中でも季節的な移動をするという点で独特で、時には2,000キロメートルを優に超えて移動します。このような行動をとる理由はまだ分かっていません。

毎年の春 (4月~5月) にアサギマダラは東北に向けて日本列島を北東方向に移動します。その移動中に、アサギマダラが鳴門から淡路島まで、大鳴門橋と同じ経路を辿って飛んでいくのを見ることができます。秋が来ると、アサギマダラは反対方向に向かって移動します。しかし、この生物の寿命はわずか6か月であるため (その他のほとんどのチョウの寿命よりは長い)、復路の旅を行うのは春に渡りをしたチョウの子供です。この戻って来るチョウは再び鳴門を通過しつつ、日本の鹿児島や沖縄だけでなく、時には台湾や香港といった南西にまで移動します (後者は日本本土から約2,500キロメートル離れています)。

現在、あわじグリーン館で見られるアサギマダラは、その途中で羽を休めているところです。

フジバカマの花の蜜を味わいながら、アサギマダラは次の目的地に向けて力をたくわえています。
そっと静かに見守ってくださいね。


    

フジバカマ

【展示室3】

フジバカマは、古くから人々に親しまれてきた植物で、万葉集にも詠まれた「秋の七草」のひとつです。花は淡い藤色をしており、葉や茎にはさわやかな香りがあります。乾燥させると、桜餅の葉のような甘い香りが立ち、昔は匂い袋としても利用されていました。

しかし現在は、自生地の減少により、環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されています。
秋には「旅する蝶」として知られるアサギマダラがこの花を訪れることで、近年ふたたび注目を集めています。

茎は赤紫色でまっすぐに伸び、草丈は50~200cmほどに達します。
葉は向かい合って生え、細長い楕円形や披針形で、縁にはギザギザ(鋸歯)があります。
葉や茎には細かい毛が生えており、触ると少しざらつきがあります。

花の色は白、淡いピンク、または赤紫色で、9月から11月にかけて開花します。

学名:Eupatorium japonicum
植物分類:キク科ヒヨドリバナ属
原産地:日本

白花フジバカマ

    

ゴメサ・ラディカンス

【展示室2】

香り豊かで小さくて可憐なラン「ゴメサ・ラディカンス」は、
ブラジル南東部の大西洋岸(標高約400m)に自生する米粒サイズの小さな着生ランです。

自生地では日差しがほとんど届かない木陰で、豊富な水分のある環境に生育しています。
栽培下でも弱光〜中程度の光たっぷりの水やりを好みます。

細く明るい緑色の葉と小さなバルブが密集し、短期間で丸く整った美しい株姿に成長します。

暖かめの環境を好みますが、やや涼しい条件にもよく適応するため、幅広い環境で育てることができます。鉢植え、バスケット、板付けなど、育て方を選ばず楽しめます。

約6mmほどの蕾から、甘いハチミツのような香りを放つ可憐な花が次々と咲き、4週間以上楽しむことができます。開花は春と秋の年2回に見られ、長く美しい花姿を堪能できます。

学名:Gomesa radicans
植物分類:ラン科ゴメサ属
原産地:ブラジル南部~南東部


    

リンドウ

【展示室3】

リンドウは、夏の終わりから秋にかけて濃い青色の美しい花
高さ約90cmの茎の先に咲かせる多年草です。
日本や東北アジアの温帯地域に自生し、昔から山野草として親しまれてきました。

日当たりのよい場所を好み、水はけのよい酸性〜中性の土壌でよく育ちます。
土が乾きすぎないよう、生育期には適度な湿り気を保つことがポイントです。

薬草としての歴史を見ると、日本で古くからリンドウの根は薬草として利用されてきました。
特に、1164年(平安時代末期)に作られた仏教の写経「平家納経」の中には、この種をモチーフにした植物の装飾画が描かれており、当時すでに人々の生活や信仰に深く関わっていたことがうかがえます。

学名:Gentiana scabra var. buergeri
和名:リンドウ(竜胆)
植物分類:リンドウ科リンドウ属
原産地:日本


    

スタペリア・ヒルスタ

【展示室1】

ハエを呼び寄せて受粉する、ふさふさ毛深いヒトデのような星形の花が特徴の、
スタペリア・ヒルスタが見ごろです。

南アフリカ原産の多肉植物。
四角い肉厚の茎と、ヒトデのような大きな星形の花が特徴です。

花は夏の終わりから秋にかけて咲き、表面には赤紫色の毛が生えていることが多く、まるで動物の体のよう。その外見とともに、腐った肉のような匂いを放つことで、ハエを引き寄せて受粉します。

花の匂いは強烈ですが、自然界の戦略としてとてもユニーク!
受粉が成功すると、美しいツノ状の種子ができます。

<スタぺリア・ヒルスタのチェックポイント!>

・花の色は紫赤〜濃えんじ色。表面には縞模様も。
・毛の量や配置はさまざまで、地域や個体ごとに異なります。
・「毛むくじゃら」なものから「つるつる」まで!

ちょっとグロテスク?
でも目が離せない不思議な魅力。
名前の通り、ヒトデのような花をぜひ近くで観察してみてください!

学名:Stapelia hirsuta
植物分類:キョウチクトウ科スタぺリア属
原産地:南アフリカ(ケープ州、ナミビア)


    

原種シクラメン

【アトリウム】

葉が出る前に花が咲く、原種シクラメン「シクラメン・グラエクム」。
乾燥した気候に適応するため、先に花を咲かせてその後で葉が出てきます。

非常に長寿なシクラメンで、100年以上生きる個体もあると言われています😲

環境が良ければ球根は約20年で直径30cmほどになります。

球根には「牽引根(けんいんこん)」という太い根があり、この根を収縮させることで、
なんと自生地の乾燥した土の中を、上下にゆっくりと移動することができます。

夏の高温や乾燥を避けるために土の深い場所に潜ったり、
涼しくなると浅い場所に出てきて生長したりと、
過酷な環境を生き抜いています。

学名:Cyclamen graecum
植物分類:サクラソウ科シクラメン属
原産地:ギリシャ南部~トルコ南部、キプロス


    

コムラサキ

【展示室3】

コムラサキ(Callicarpa dichotoma)は、秋につける鮮やかな紫色の実がたいへん美しい「ビューティーベリー」とも呼ばれる、通常の樹高は60〜120cmほどの落葉性の低木です。

和名「コムラサキ(小紫)」は、同科同属の「ムラサキシキブ(紫式部)」を小さくしたような姿に由来するとされています。初夏には淡い紫色の小花が咲きます。

枝は細くしなやかで、アーチ状に優雅にしなり、地面に届くほど垂れ下がることもあります。夏になると、葉の付け根(葉腋)からピンク〜淡紫色の小花が房状(集散花序)に咲き、秋ごろになると直径約3mmほどの紫色の実が房状に実ります。果実は9月頃に熟し、10月にかけて最も見頃を迎えます。
葉が落ちた後もしばらく枝に残りますが、冬の深まりとともに自然に落果します。

葉は楕円形〜倒卵形(長さ2.5〜7.5cm)で、鋸歯(ギザギザ)は葉先側のみに見られるのが特徴です。秋には黄色く紅葉し、紫色の果実との美しい対比を楽しめます。

コムラサキはハチなどの昆虫が花から花へと花粉を運ぶ「虫媒花」です。
複数の株をまとめて植えることで虫が移動しやすくなり、実つきがよくなり、より華やかな印象を演出することができます。

学名:Callicarpa dichotoma
別 名:小紫(コムラサキ)、小式部(コシキブ)
植物分類:シソ科ムラサキシキブ属
原産地:日本、朝鮮半島、中国



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