当館で2005 年に初めて開花を確認したヒスイカズラにおいて、今年、初めて人工授粉による結実に成功しました。兵庫県立淡路夢舞台公苑温室で、国際園芸・造園博ジャパンフローラ2000(淡路花博) に合わせて植栽されたヒスイカズラです。
ヒスイカズラは、原産地であるフィリピンではオオコウモリが蜜を吸う際に受粉を助けるとされており、自然条件下での受粉・結実は非常に稀とされています。そのため、ヒスイカズラの実がなること自体が極めて貴重です。
当館では、毎年開花の時期に合わせて数十回にわたる人工授粉を試みてまいりましたが、これまで結実には至りませんでした。
そうした中、本年4 月、初めて実が2 個ついているのを発見。その後5 月にも、少し高い位置で実がついているのを発見しました。
順調に生長し、最初に結実した実は8 月4 日に裂開し、種子の採取に成功しました。さらに、少し遅れて結実したもう1 つの実も、8 月24 日に裂開し、こちらも種子を採取できました。
8 月4 日に採取した種子10 個を、同日播種しました。順調に発芽・生育が進んでいます。
2025年8月30日の様子。
かなり伸びできた株は、より大きく生長できるよう、別の場所へ移動しました。
葉の大きさも違います。
8月4日に10個の種を播きましたが、そのうち2個はなかなか発芽の様子が見られませんでした。
しかし、8月30日になってようやく1つが芽を出しました。
残る1つは、いまだ変化が見られません。
当館のヒスイカズラは、全長約8 メートルのパーゴラに植栽され、毎年50 本以上の花穂が垂れ下がる姿は圧巻で、国内でもトップクラスの開花数を誇ります。これまで花は咲いても結実しない状況が続いていましたが、今回の成功は、長年の取り組みの成果といえます。
今後も引き続き、栽培および研究を進めながら、ヒスイカズラの魅力を多くの方に伝えてまいります。