夏休みにぴったり!不思議がいっぱいの食虫植物を楽しもう!

2025年7月18日

夏休みの自由研究やおでかけに、ちょっと変わった植物の世界を体験してみませんか?
虫をとらえて生きる「食虫植物」は、見た目も仕組みもとってもユニーク!

各展示場所では、ウツボカズラやハエトリソウ、サラセニア、セファロタスなど人気の食虫植物を間近で観察できます。クイズもあるので、みんなで楽しく食虫植物を楽しもう!


カトプシス(展示室2)

高い木の枝に根を張り、明るい場所で育つこの植物は、葉の根元に雨水をためる“タンク”構造を持ち、昆虫や微生物を引き寄せる小さな生態系をつくり出しています。

明るい黄緑色の葉は、白いワックス状の粉(クチクラ)でおおわれ、まるで光を放つような美しさ。現地では「ランペラ・デ・ラ・セルバ(ジャングルの提灯)」の愛称で親しまれているんです。

開花時には白く小さな花を多数咲かせ、果実の中で種が発芽することもあるという、不思議が詰まった存在です。


セファロタス(展示室2

セファロタスは、オーストラリア南西部の湿地にだけ自生する、とても珍しい食虫植物です。
「1属1種」しか存在しない特別な仲間で、植物の世界でも貴重な存在です。

葉が変化してできたつぼ型の“ピッチャー”で虫をとらえる点は、ウツボカズラやサラセニアとよく似ていますが、分類的にはまったく別の植物です。

セファロタスのピッチャーは、小さいながらもよくできていて、
・虫を誘導するための中央のひだ(フランジ)
・2本の側翼には細かい毛が密生
これらの構造で、地面を歩く虫(とくにアリ)を、うまくピッチャーの口まで導きます。

蜜のにおいに誘われた虫は、中へ入った瞬間につるつる滑って底に落下。
中には消化酵素の入った液体があり、虫はやがて消化されて栄養になります。
いったん落ちると、内側の段差や形状により脱出できません。


サラセニア
(展示室2、テラス、アトリウム)

サラセニアは、北アメリカの東海岸に生えている食虫植物。南はフロリダから、北はカナダまでの広い範囲に8種類が分布しています。

見た目のいちばんの特徴は、なんと葉っぱがそのまま袋の形になっているところ!地面の下に太い茎があり、そこからストローのような袋がニョキッと生えてきます。

袋の上にはフタがあり、虫の好きなにおいを出しておびきよせます。フタの内側には下向きの毛がびっしり。虫がフタに止まると足を取られて中へ落ちてしまいます。

サラセニアは虫をたくさん捕まえますが、実は消化する力が弱いのです。

袋の中で虫が消化されないと、そのまま袋ごと枯れてしまうことも。でも心配はいりません!

袋が枯れると、その中の虫の栄養は地面にしみこみ、根っこがしっかり吸いとってくれるという、自然と協力したすごい作戦なんです!


ウツボカズラ(テラス、アトリウム)
熱帯アジアにすんでいる「ウツボカズラ」。
ウツボカズラは、つるのようにのびて他の植物にからまりながら育ちます。葉っぱの先がふくらんでできる“ふくろ”が、虫とりのわなになっています。

このふくろ、上にフタがついていますが、虫を閉じこめるためじゃなくて雨よけなのです!

フタの裏にはあまい蜜が出るところがあり、いいにおいで虫をおびきよせます。
入り口はツルツルしていて、虫はすべって中に落ちてしまいます。
中には強い消化液がたまっていて、虫は出られません…!
小さなものは小指サイズでかわいいですが、大きいものはなんと45cmもあって、ネズミまでとらえてしまうことも!


ハエトリソウ(アトリウム)

北アメリカに生えている「ハエトリソウ」は、まるで生きているかのように動く食虫植物。虫が葉の中に入ると、パクッ!とすばやく閉じて虫をとらえてしまいます。

葉っぱの形は、まるで二枚貝のよう。その内側からはあまい蜜を出して、虫をおびきよせます。葉のまわりにはトゲのようなものがありますが、実はこれだけでは葉は閉じません。葉の内側には6本の「感覚毛」があり、同じ毛に2回触れる、もしくは別々の毛に1回ずつ触れると、なんと約0.2秒で葉が閉じます!これは、虫がしっかり中に入ったかどうかを見きわめてから動くための、とてもかしこいしくみなんです。

虫をしっかりとじこめたら、葉のふちがぴったりと合わさり、ゆっくり消化します。もし虫を取り逃がしてしまっても、1日かけてまたゆっくり開き、次のチャンスを待ちます。

葉っぱは1枚につき3回くらいしか閉じられませんが、元気な株からはどんどん新しい葉が生えてきます。ちなみに、ハエだけでなく、ダンゴムシ・アリ・ヤスデなども食べることができますよ!


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