淡路夢舞台温室では2003年より種から育て、2018年、15年目に初めて開花しましました。この種類は生育が難しく、なかなか目にすることができない貴重な植物です。環境がよく子株が育てば数十年かけてまた目にすることができるかもしれませんが、環境がよくなければ1代限りで終わってしまいます。
2022年、初開花から4年目。この度3つの子株からのびた花芽が見事開花しました!
「プヤ・チレンシス」はチリ中央部の原産で、高さ5mほどになるパイナップル科の植物です。木質的な軸をもち、硬く、釣り針状のトゲがついた皮のような緑の葉が1mほど広がります。また花は軸に沿ってつき、稲穂のように先端に集まって開花します。中央には明るいオレンジ色のおしべ、黄色の約5cmほどの花を咲かせます。春から初夏にかけて開花期をむかえます。
この固く釣り針状の棘の所以からか「羊食い」ともよばれているそうです。
ご見学の際はお気をつけくださいませ。
【2022年4月、プヤ・チレンシス開花!!!】
【2022年3月、プヤ・チレンシス開花までの様子】
【前回、2018年3月にプヤ・チレンシスが開花した様子】
{プヤ属について}
中央アメリカのコスタリカから南アメリカのアンデス山脈南部の高地にかけて、大型でトゲだらけのパイナップル科のいくつかの属が分布します。茎は木質化し、葉は硬い多肉質になるものが多いです。プヤ属は約170種類。地生し、とげのある密なロゼット状の葉はしばしば厚い綿毛におおわれ、大きな穂状の花序をつけます。辺鄙な場所に生えているうえ、標本が作りにくいこともあって解明が進んでいない植物のひとつです。