カトプシス・ベルテロニアナ

2025年9月3日

【展示室2】

虫を捕獲するユニークなメカニズムを持つ、落とし穴式のパイナップル科植物!

高い木の枝に根を張り、明るい場所で育つこの植物は、葉の根元に雨水をためる“タンク”構造を持ち、昆虫や微生物を引き寄せる小さな生態系をつくり出しています。

明るい黄緑色の葉は、白いワックス状の粉(クチクラ)でおおわれ、まるで光を放つような美しさ。現地では「ランペラ・デ・ラ・セルバ(ジャングルの提灯)」の愛称で親しまれているんです。

開花時には40〜130cmほどの高さに達し、太い花茎には2〜8本の側枝が伸び、白い小さな花を15〜50輪ほど咲かせます。花苞と萼片は黄緑色で、果実(さや)は長さ1.5cmほど。中の種子は、さやの上で発芽することもあります。

この植物のもうひとつの特徴は、昆虫を引き寄せて捕らえる性質です。葉の表面が滑りやすいため、訪れた昆虫は滑って中央のタンクに落ち、水に沈んでしまいます。
捕食のしくみは他の食虫植物とは異なり、壺状の構造ではなく、あくまで葉の形と滑りやすさによる「自然なトラップ」です。

学名:Catopsis berteroniana
原産地:フロリダ州~熱帯アメリカ
植物分類:パイナップル科カトプシス属

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