【館内各所(主に展示室2~3)】
秋になると、寒い北から暖かい南へと旅をする蝶「アサギマダラ」。
この蝶は、日本でも数少ない「渡り」を行う蝶として知られており、秋になると本州や東北地方から沖縄、さらに台湾まで1000km以上の長旅をします。
アサギマダラ (英名: chestnut tiger butterfly、学名: Parantica sita) は翅にある派手な茶色と黒と白の模様が英名の由来です。開帳はおよそ10センチメートルです。このチョウは日本で見られるチョウの中でも季節的な移動をするという点で独特で、時には2,000キロメートルを優に超えて移動します。このような行動をとる理由はまだ分かっていません。
毎年の春 (4月~5月) にアサギマダラは東北に向けて日本列島を北東方向に移動します。その移動中に、アサギマダラが鳴門から淡路島まで、大鳴門橋と同じ経路を辿って飛んでいくのを見ることができます。秋が来ると、アサギマダラは反対方向に向かって移動します。しかし、この生物の寿命はわずか6か月であるため (その他のほとんどのチョウの寿命よりは長い)、復路の旅を行うのは春に渡りをしたチョウの子供です。この戻って来るチョウは再び鳴門を通過しつつ、日本の鹿児島や沖縄だけでなく、時には台湾や香港といった南西にまで移動します (後者は日本本土から約2,500キロメートル離れています)。
現在、あわじグリーン館で見られるアサギマダラは、その途中で羽を休めているところです。
フジバカマの花の蜜を味わいながら、アサギマダラは次の目的地に向けて力をたくわえています。
そっと静かに見守ってくださいね。